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第15章 夏休みとそれぞれの想い

「もう少し先へ行ってみようか?」

ゆっくりゆっくり真啓は深い方へと移動した。

「ごめんね。ずっと手を繋いでてくれる?」

リツと夏がこっちに向かって泳いでくるのが判った。

「うん。」

あたしの胸の少し上の高さ辺りまで来ると、背中が冷たくて心地が良かった。

「凄いなぁ真啓は。どんなに宥めすかしても、絶対に入らなかったのに。」

夏はびっくりしていた。溺れて以来、プールや海には絶対にあたしが入らなかったからだ。

「華がこんな怖がりだと思わなかった。」

リツはちょっと心配そうだった。

「他は大丈夫だけど、泳ぐのだけは駄目なの。リツに捕まらせて貰うわ。真啓、ごめんね。どうもありがとう。」

「華ゴメン…ここまだ足がつかないの。だから背の高い真啓くんに捕まっててくれる?」

少し高い波がゆらりとあたしを持ち上げたので、慌てた。

「大丈夫だよ。波が来たら、波に合わせてジャンプすれば良いんだよ。」

水が耳の辺りまで上がって音を立てた。

「そっか…そんなことも判らないのか。」

夏が呆れた。あたしは真啓の腕を掴み、向かい合わせの状態になった。

…夏とリツは楽しそうで一先ず良かった…けど、やっぱり怖い。

「大きな船が通った後には少し大きな波が来るんだよ。」

真啓が遠くの船を指さした。

「嫌だ…怖い…戻ろう?」

さっきよりも少し大きい波が来た。

「高くジャンプだよ?せーの。」

あたしはジャンプのタイミングを間違えて、ジャンプをしようとした時には、ふわりと体が浮かび、足がつかなくなった。真啓はあたしをぐいっと引きあげるようにしてくれた。

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