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第15章 夏休みとそれぞれの想い

「怖い~。」

真啓もそれに触れたらしい。

「平気だよ。」

真啓は少し屈んでソレを取ろうとしていた。

「ちょ…真啓…やめなよ!変な生き物だったらどーするのよ?」

真啓がザバッと持ち上げたものは、黒い塊だった。

「海藻だよ。ほら…触ってごらんよ。」

真啓がいたずらっ子のようにあたしの前に差し出した。

「嫌だ~。真啓が夏みたいになってる。」

夏は小さい頃から磯遊びをすると変な生き物をわざわざあたしに見せにきた。その度に、あたしはダディやパパの後ろに隠れて泣いた。

「さぁ 帰ろう。」

真啓は笑いながらあたしの足元に海藻を放りなげた。

「うわわっ…真啓の馬鹿!」

転びそうになったあたしを真啓はがっしりと大きな手で支えた。まるで真啓があたしをしっかりと抱きしめてる感じ…てか、そのまんま。

「ああ…ゴメン。真啓ファンに怒られちゃう。」

あたしは、慌てて離れようとしたけど、真啓が強く抱きしめた。
ほんの短い間の出来事。真啓の心臓の音が早鐘のように響いた。

「さぁ。お昼を食べに行こう♪」

真啓は、何事もなかったかのようにあたしに微笑んだ。リツと夏は既に食べたらしく、残骸が足元に残っていた。

あたしたちも売店へ行き、ウーロン茶と焼きイカや焼きそば、かき氷などを買った。

「お前またそんなに買ってきて…太るぞ!」

夏が笑った。

「言われると思った。」

あたしが膨れるとリツが笑った。

「美味しそうに良く食べるのが華の特技よね?」

リツがウーロン茶を飲みながら言った。

「うん♪趣味は食べることだから。」

お昼を食べてまた少し遊んで、あたしたちはお屋敷に戻った。

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