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第2章 転校生

「はい。じゃぁ有名なこの部分を…今泉…あやっぱり古水流くんに読んで貰おうかしら。読んだ後、自分の言葉で訳してくれる?」

英語の先生が、空を指名した。

「My only love sprung from my only hate!Too early seen unknown,and known too late!」

パーフェクトなブリティッシュ・イングリッシュ。教室からおーっと声があがった。

「…えっと”たった一つの私の恋が、憎い人から生まれるなんて。知らずに逢うのが早すぎて、知ったときにはもう遅い。”…です。」

一部の女子からため息が漏れた。

「はい。良くできました。」

…憎いやつから恋なんて絶対生まれる筈がない。ジュリエットは馬鹿だ。

古水流 空が転校してきてから約1カ月。あいつのファンクラブが出来ていた。

…信じらんない。あんな性格ブサイク。

体育の授業では、授業をこっそりサボって屋上から眺める2・3年生のお姉さま方達まで出る始末。

「みんな あなたの正体を知らないから、キャーキャー言ってるのよ。そのねじ曲がった性格を知ったらあの人達どう思うでしょうね?」

あたしはとびっきりの嫌味を言った。

「別に…どーでも良い。」

空は机に突っ伏して寝ていた。リツが戻ってきた。

「ねぇツアー前にファンレター書かない?どこの席に座ってるか知らせるの。関係者席ならきっとステージからでも見えるでしょう?」

「うん♪じゃぁ今日学校の帰りに文房具屋さんへ寄ろう。」

…ばっかじゃね。

空が私の隣の席で鼻で笑った。

「あっ。小鳥遊くんが来てるよ。」

教室の入り口をみると夏がいた。

「悪い。英語の教科書貸して…忘れちゃた。」

あたしはプリントも一緒に渡した。

「今日はロミオとジュリエットだったの。これも一緒にあげる。答え全部書いてあるから。」

夏はパパ似でそこそこカッコ良い。双子だけど一応あたしの弟。あたし達が一緒に住んでて異父双生児だってことは内緒にしてる。







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