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第15章 夏休みとそれぞれの想い

夜になり、ケンタさんと言う人が、食事を作りに来てくれた。近くの旅館で料理人をしているらしい。きびきびとしていて面白い人だった。夜になるとお目付け役の春さんがやって来た。
ご飯を食べてリビングで思い思いに過ごした。夏はものの見事に日焼けして真っ赤になっていて、Tシャツが当たると痛いので上半身裸で過ごしていた。

「もう静さんもガクさんもとても心配していたわよ~。華さんもたまには声を聞かせてあげなさい。」

春さんがレモネードを作りながらあたしに言った。
いつもなら必ず電話を掛けていたけれど、あれ以来しなくなった。あたしは海に入ったことを春さんに話すと驚いていた。夏が得意げにあの写真を見せた。

「お前も欲しければあげるよ。」

――― ♪~♪

夏はすぐに送って来た。春さんが作ったレモネードは甘すぎず、かといって酸っぱくも無く絶品だった。

「何でこんな写真を撮ったのよ~!あたしは良くても真啓が嫌だよきっと。」

あたしは出来立てのレモネードをごくごくと飲んだ。

「僕は…僕は嬉しいよ…華の事が好きだから。」

真啓があたしに優しく笑いかけた。

「そっか♪じゃぁいっか。」

それを聞くと夏とリツが同時に咽た。

「あたしも、真啓のことが好きだから全然平気よ♪お風呂入って来るね~。」

皆が笑った。

「え?あたし何か変なこと言った?」

「華さんは何も変な事なんて言ってないわよ。」

春さんまで笑いながらあたしに答えた。
あたしが居なくなるのを待って春さんが溜息をついた。

「あの子は…自分のことになるとホント駄目ね。」

「お前ホントにあんなんで良いのか?華はちっとも判って無いぞ?」

夏が真啓に言った。

「うん…良いよ。華ちゃんが気が付いてくれるまで、僕は待つから。」

「きゃぁ♪真啓くん。華のことがそんなに好きなのね。」

「うん。一緒にいると楽しいから。」

真啓は、真っ赤になりながらも肯定したので、春さんがあらあら御馳走さまでしたと笑った。

「天然だから、高校卒業するまで気が付かないかもよ?」

夏が、面白そうに笑った。

「だよね~それがホントあり得そうだから、怖い。」

リツが、携帯を嬉しそうに眺める真啓を見ながら呟いた。

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