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第15章 夏休みとそれぞれの想い

「ねぇ夏くん。後でちょっと話があるんだけど…。」

僕は思い切って、テレビを観ている夏に相談することにした。

「何?どーした?」

夏はテレビから目を離さず、リツとポップコーンを奪い合いながら食べていた。春さんは、あたしも片づけがあるからと言って席を外した。

「あ…っと…後で良いんだ。」

僕の視線にリツが気が付いた。

「あっ…あたしもお風呂入って来ようかなぁ。」

ゆっくりと立ち上がったリツに夏は言った。

「何だよ…リツちゃん。もうすぐで終わる…の…に。」

夏はそこで初めて僕とリツの顔を交互に見た。

「夏さんも…結構…ど・ん・か・ん!」

リツは僕に微笑んだのでお礼を言った。

「へっ?」

夏が振り返るとリツは鼻歌を歌いながら、部屋に戻って行った。

「で…何?話って。」

――― パタン。

遠くでドアが閉まる音を確認して僕は話し出した。

「夏くんは、華ちゃんのこと、何とも思って無いの?」

「へっ?」

夏は素っ頓狂な声をあげた。

「兄弟だけど、半分しか血が繋がって無いし…その…。」

僕は少し恥ずかしくて最後の言葉を濁した。

「女として好きかってこと?」

僕は、一気に顔が真っ赤になったのが判った。

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