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第15章 夏休みとそれぞれの想い

「ない…ないな。ないない。」

夏が声を出して笑ったが、突然真面目な顔になった。

「でも…僕は、好きならちゃんと伝えた方が良いと思うな。」

テレビを消して、夏はテーブルの上に大きなポップコーン・バケツを置いた。

「でも…今のままの友達の方が良いんだ。華ちゃんのことだから、変にギクシャクしてしまいそうな気がするから。」

僕も夏につられてポップコーンに手を伸ばした。

「じゃあ言わずに、少し強引になってみるとか?」

僕は、昼間のことを思い出していた。

「今日…だって…僕…かなり強引だったと思う…んだ。」

華が泳げないことを知っていて、僕はわざと深いところまで連れて行ったことを少々後悔していた。

「自分がこんなにずるい人間だとは思って無かったよ。今日だってわざとだもの。」

華が抱き付いてくるのを判っていて連れて行った。

「うーん。でもアイツが何も言わないってことは、やっぱ気が付いてねーんじゃね?」

僕は華への気持が止まらなくなりそうで怖かった。

「そう…なのかな。」

「うん。絶対そうだ。だって夕飯の時だってさ、あたしも好きよ~♪なんて、言っちゃって、聞いてた僕やリツちゃんの方が驚いた。鈍感過ぎて。」

小さくていつも元気で、表情がコロコロと変わる華を見ているのが楽しかった。以前は傍にいるだけで楽しかったのに、触れていたいと思うようになっていた。

「友達でいたいと思うのに、手を繋ぎたいとか…」

一生懸命言葉を選びながら話したのに、夏と来たら

「セックスしたいとか?」

ポップコーンを頬張りながら、僕が言いにくかった事をさらりと言ってのけた。

「えっ…そういう…ことでは…。そういう…こと…なのかな。」

首まで真っ赤になったのが自分で判った。実は、海の家で華が無防備に、まるで当たり前の様に自分の背中に触れた時、異変を感じ慌ててトイレへ駆け込んだ。外出先で初めての出来事だった。

「親父さんに相談してみたら?色々教えてくれそうじゃん。」

「えっ?僕の父?」

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