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第15章 夏休みとそれぞれの想い

「ねぇ。真啓さんのこと華さんはどう思っているの?」

あたしは、春さんと一緒に露天風呂に入っていた。

「うーん。友達かなぁ…仲の良い友達…と思っているのはあたしだけかも知れないけれど。」

春さんは声を出して笑った。

「笑うところじゃ無いと思うんだけど。」

温い温泉の湯は、心地良かった。部屋の電気が邪魔だけど、それでも星が沢山見えた。

「違うの。もし真啓さんが華さんのことが好きだから、お付き合いして下さいって言われたらどうするのかなぁと思って。」

「…判らない。」

海で、夢中で抱き付いちゃった事を思い出して胸がドキドキし始めた。

「ねぇ…春さん。誰かを好きになったら自分で“あっ♪これは恋だ”って判るのかな。」

春さんはまた声を出して笑ったけど、あたしが真面目な顔をしているのをみて、慌てて堪えた。

「そうねぇ…判る時と、判らない時があるかもねぇ。」

春さんは自分の肩にお湯を掛け乍ら言った。

「えっ。判らない時もあるの?」

あたしは自分でも判ってる、ちょっと抜けてるところがあるって。だけど、春さんの答えにあたしは混乱した。

「わたしも上手く言えないけれど、気がついたら傍にあったって感じかしら?」

…真啓と一緒に居ると、楽しいけれど。

「気がついたら?」

…なんか恋とは違う気がする。

「ええ。一緒に居た時には平気だったのに、離れたらその人の事が急に気になっちゃったり、考えたりしてる…って感じかしらねぇ。」

「そっかぁ…あたしの恋はまだなのかな。」

露天風呂の大きな岩陰は、一段高くなっていて、それを背に星が見られるようになっていた。あたしは縁に肘を乗せて考えて居た。

「そうかも知れないわね。」

春さんは笑った。

「それより春さん。春さんのおっぱいはいつから大きくなったの?」

春さんは美容整形をしていると言ってたけれど、その前でも大きかったらしいことをママが春さんのドレスを借りたときに言ってた気がする。

「もう昔のことで、そんなこと覚えていないわよ。」

春さんが笑った。

「きっとあたしだけ突然変異ね。ユウおばあちゃんも、うちのママも春さんも大きいのに、あたしだけ真っ平らなんて…。」

春さんは噴き出して暫く笑い続けていた。

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