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第16章 カレントが運んだ切ない夜

僕はほんの数口食べたチョコを丁寧に包んでそっと置いた。

「さっきまでぐったりとしていたのに…。」

…安心した。

「本当に今日はごめんね。」

食べ終わった華が真面目な顔で僕に謝ったけど、口の端にチョコが付いていた。

「チョコが付いてる。」

華がごしごしと擦ったので、余計に伸びた。それを知らずに、あらほんとだと汚れた自分の指をちゅっと舐めて笑った。

「ちょっと華…余計酷くなったよ。」

…まるで小学生みたいだ。

僕が思わず笑うとじゃあ真啓が取ってよと怒った顔も可愛らしかった。

「触って良い?」

「何言ってるのよ。触らなきゃ取れないでしょう?」

…やっぱり、ドキドキしてるのは僕だけならしい。

僕は華の口の端から、唇の中央へ向けて親指でそっと拭った。華の唇は、自分のそれよりも何倍も柔らかくて、温かくてふっくらとしていた。

…柔らかい。

初めて触れた女の子の唇に思わず見惚れてしまった。

「ねぇ取れた?」

華の声にハッとした。

「え…あっ…うん。」

僕は華に親指を見せた。

「ほら…華って、時々小学…生みた…い。」

華は僕の親指をそっと引き寄せてちゅっちゅっと音を立てて舐めとった。

…あっ。

温かくぬめぬめとしてねっとりと絡みつくような華の舌の感触、そのしぐさや小さな口元がとても艶めかしく感じた。

「あっ…ごめん。真啓が舐めたかった?」

華は、まるでそれに気が付かぬ様子で呑気な事を僕に聞いてきた。腰がビクンと反応してしまい、思わず狭い毛布の中で僕は膝を曲げた。

「あ…ううん…。」

…ドキドキが止まらない…よ。どうしよう…。

こんな状況なのにも関わらず,衝動は存在をアピールし騒ぎ始めている事が大好きな華にバレてしまったら、軽蔑されてしまうに違いない。

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