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第16章 カレントが運んだ切ない夜
華はじっと見つめて答えを待っていた。
「いつもその人のこと考えてしまうんだ。その子に好きな人はいるのかなぁとか、考えると切なくて、ちょっと苦しいし辛い…かな。」
「えっ!苦しいの?それに辛いって?どんな感じ?もうちょっとディテールを下さい。」
華は目を輝かせて聞いた。
「うーん…自分のものだけにしたいっていう独占欲?いつも一緒にいたいって気持ち?でもそれが出来ないから…苦しいのかな。自分の気持も伝えられなくてもどかしいんだよ。」
華は、もぞもぞと毛布の中から手を伸ばし、乾パンの缶を開けた。そして中の氷砂糖を口に入れた。
「真啓にそんなに好きになって貰えるなんて…羨ましい…な。告白しなよ。真啓に告白されて嫌って言う子なんて居ないと思うよ。きっと、告白された子は、学校中の女の子に羨ましがられるよ。」
華は、夢見心地な顔で僕を見つめていた。
「だと良いんだけど…。」
氷砂糖をポリポリと噛む音が聞こえる。
「うーん。告白が無理ならラブレターとかは?なんか心が籠ってて良い感じ。」
「華は告白されるのなら、どんな方法が良い?」
「あたしは、きちんと会って告白して欲しいなぁ。放課後の校舎とか、ふたりっきりになった時がいい。友達の前じゃ恥ずかしいから。」
「真啓は?」
「僕も直接言って欲しいな。メールとかじゃ味気ないよね。」
――― ザー。ピカッ…ゴロゴロ…。
…また雨が降り出したらしい。
雷が光るたびに華は身を竦めた。
「真啓は進路どうするの?そろそろ決めないと駄目でしょう?」
「うん…医者になりたいけど、ピアノも弾いてたいな。夏休みが終わったら、コンクールに出るつもりなんだ。」
先生には、音大への進学を勧められていた。今までそのつもりで頑張って来たけれど、やはり僕は父のように外科医になりたい。
「音大へ行かないで、お医者になるの?」
医者の勉強とピアノ。両立出来るかは分からない。
「うん…そうなるかな。」
出来れば華と同じ大学へ行きたい。
「もう学校へは来なくなっちゃうの?」
「休みが増えるかもね…単位のこともあるから先生と相談しなくちゃいけないけど。」
「そっか…真啓と会えなくなっちゃうのは寂しいな…だけど、あたしはいつも真啓のことを応援してるよ。」
華はしょんぼりとした。
「いつもその人のこと考えてしまうんだ。その子に好きな人はいるのかなぁとか、考えると切なくて、ちょっと苦しいし辛い…かな。」
「えっ!苦しいの?それに辛いって?どんな感じ?もうちょっとディテールを下さい。」
華は目を輝かせて聞いた。
「うーん…自分のものだけにしたいっていう独占欲?いつも一緒にいたいって気持ち?でもそれが出来ないから…苦しいのかな。自分の気持も伝えられなくてもどかしいんだよ。」
華は、もぞもぞと毛布の中から手を伸ばし、乾パンの缶を開けた。そして中の氷砂糖を口に入れた。
「真啓にそんなに好きになって貰えるなんて…羨ましい…な。告白しなよ。真啓に告白されて嫌って言う子なんて居ないと思うよ。きっと、告白された子は、学校中の女の子に羨ましがられるよ。」
華は、夢見心地な顔で僕を見つめていた。
「だと良いんだけど…。」
氷砂糖をポリポリと噛む音が聞こえる。
「うーん。告白が無理ならラブレターとかは?なんか心が籠ってて良い感じ。」
「華は告白されるのなら、どんな方法が良い?」
「あたしは、きちんと会って告白して欲しいなぁ。放課後の校舎とか、ふたりっきりになった時がいい。友達の前じゃ恥ずかしいから。」
「真啓は?」
「僕も直接言って欲しいな。メールとかじゃ味気ないよね。」
――― ザー。ピカッ…ゴロゴロ…。
…また雨が降り出したらしい。
雷が光るたびに華は身を竦めた。
「真啓は進路どうするの?そろそろ決めないと駄目でしょう?」
「うん…医者になりたいけど、ピアノも弾いてたいな。夏休みが終わったら、コンクールに出るつもりなんだ。」
先生には、音大への進学を勧められていた。今までそのつもりで頑張って来たけれど、やはり僕は父のように外科医になりたい。
「音大へ行かないで、お医者になるの?」
医者の勉強とピアノ。両立出来るかは分からない。
「うん…そうなるかな。」
出来れば華と同じ大学へ行きたい。
「もう学校へは来なくなっちゃうの?」
「休みが増えるかもね…単位のこともあるから先生と相談しなくちゃいけないけど。」
「そっか…真啓と会えなくなっちゃうのは寂しいな…だけど、あたしはいつも真啓のことを応援してるよ。」
華はしょんぼりとした。