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第20章 奪われたキス

…もう駄目だ。そうだ小さな頃もこんな感じだった…な。

真っ暗な海へと沈んでいくあたし。子供の頃に溺れたことが今になってフラッシュバックした。

…あの時助けてくれた…男の子。

とてつもない息苦しさを経験した後で意識が薄らいできた。

…死ぬのって…やっぱ…苦しい…ね。

…神様…あたしは悪い子だったけど、天国へ行きたいです。

--- ゴボゴボ。
ゆっくりと沈んでいくあたしの体。もう動く力も残っていない。あたしの髪が海藻の様にゆらゆらと蠢いているのが見えた。

--- ぐいっ。

突然大きな手で引っ張りあげられた。

…天使?

頬っぺたに痛みを感じた。

…嫌…餓鬼道だけは嫌です…千手観音様お願い…。

「お…。」

…天使って綺麗。

「おいっ!」

――― パチッ。

目を開けるとそこには、ユウヤのどアップ再び。

…これってもしかしてデジャブ?

長いまつ毛と高い鼻があたしの顔に触れたかと思うと、柔らかな唇の感触が…って?

…えっ?!

ユウヤの視線と重なった。

…わっ!!!

「華…良かった…。」

色気も何も無い酷い音を立てて、あたしは水を何度も吐いた。

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