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第20章 奪われたキス

「転校生なんだけどね、リツが、顔面偏差値80点!とか言うから、目をつけられちゃったの。」

…あれを言ったのは、華じゃ無かったのか。

「80点じゃまぁまぁ良い方なんじゃない?」

…正直言うと、せめて90は欲しかったな。

学校ではいつもムキになった顔しか見た事が無いが、今の華はリラックスしていた。

「うーん。あたしの周りでは、一番カッコいいかなっと思ったの。」

…俺…歓喜♪

思わず笑みが零れそうになった。華に言われるとちょっと嬉しいかも知れない。

「だ・が・し・か・し」

喧嘩をしつつも実は俺のことを見ていたのかと思うと、少し照れくさい。

「性格が超絶悪い…最悪。」

…ちょっと待て。

「へ…ぇってどんな風に?」

俺は思わず声が裏返ってしまった。

「スカートの下にジャージとかパンツ見えないからつまんないとか、一緒に階段から落っこちた時も、死んだふりするし…そんな時にふざけるなんて、信じらんないよ。こっちは心配してやってるのに。なんでも突っかかってくるんだから。中学生でもあるまいし。」

…中学生にカテゴライズされた俺。覚えてやがれ。

「そうなん…だ。」

言い返したいのを俺は必死で堪えていた。

「でもね…そんなヤツでもあたしを慰めてくれる時もあるの。」

華は大きなため息をついた。

「不機嫌だし言葉使い悪いし…良い時と悪い時のギャップがあるっていうか…。」

…言われたい放題だな俺。

「さっき泣いてたのはどうして?」

俺に言われて、華はハッとした顔で見た。

「あ…見られちゃってたんだ。」

恥ずかしそうに俯いた。

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