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「あら…嫌だ…華さん大丈夫？」

春さんが華に聞いた。いつもなら朝食を残さず食べる華が、碌に手をつけてなかったからだ。

「うん…大丈夫。ちょっと怠いから、今日はベッドで休むね。」

皆はワイワイと楽しそうに話しながら朝食を食べていたが、華だけが静かに席を立った。

「あの子大丈夫かしら…。」

春さんが心配そうに華の皿を片付けながら言った。

「…後で見に行きます。」

「真啓くん…良いわよ。あたしが後で華の部屋に行ってくるわ。」

リツが僕を止めて静かに言った。

…華のあんな顔初めて見た。

僕はとても心配だった。具合が悪くたって、ニコニコ無理をしてでも笑うのに、一体何があったんだろう。

「腹痛とかじゃない？もうそれしか考えられないよ。」

夏はオムレツを頬張りながら言った。

「それちょっと夏くん酷い。華だって恋の悩みぐらいあるわよ…多分？」

リツが疑問形で言ったので皆が笑った。

「誰かと付き合う～別れる～って楽しめるのは学生のうちだもんなぁ。それ過ぎると出会いが極端に少なるなるんだよ。」

トモキが言った。

「華ちゃんかぁ…おじさんは華ちゃんが大人になるまで待つよ。」

トオルはふざけてフォークで突き刺したトマトを口に入れ乍ら言った。

「きゃぁ～ロリコン親父なんて嫌いですぅーーって言われるんだぜ？」

トモキが意地悪く笑った。

「4歳年上ならまだ大丈夫でしょう？大きくなったらあの子きっと可愛くなるよ。」

トオルがユウヤをちらりと見て言った。

「じゃぁ俺はしっかりもののリツちゃんにしようっと♪」

メンバーの中で一番年長のリュウがさりげなくアプローチをした。

「それこそロリコンッ！！」

メンバーが一斉に同じことを言ったので皆が笑った。そんな中、ユウヤが時々僕のことを見ている。何を考えて居るのか判らない眼をしている。昼過ぎに華のお父さんがやって来た。週末ここで過ごし、僕たちを家まで送ってくれることになっていた。
「あっ。華ちゃんのお父さん。お邪魔しています。」

…そっか…あの昏睡レイプ未遂の時に、メンバーと会っているのか。

「ああ…あの時以来だね。久しぶり。」

夏のお父さんとは良く話すが、華のお父さんとは余り話したことが無かった。

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