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第20章 奪われたキス

「華…具合は大丈夫かい?どこか痛いところがあるの?みんなが心配してるよ。」

ダディがあたしの部屋にやってきた。

「うん…ちょっと食欲無いだけだから。」

あたしは暫くひとりで昨日の夜に起こった出来事を考えて居た。先ほどもリツも心配して部屋にやってきたばかりだ。

「熱は測ったのかい?」

あたしはベッドから身体を起こした。

「ううん。熱は無いと思うの。」

…真啓が好きなのに、ユウヤとキス?

自分が何をやっているのか判らなくなった。
しかもキスされても嫌じゃ無かった。だから自分でも困惑してるんだ。ダディはあたしの事をじっと見て観察している。

…ダディに心配させる様なことはしたくない。

「何か心配なことでもあるの?」

「ううん。大丈夫。」

…こんなこと誰にも相談出来ないよね。

ダディはあたしの隣にそっと座り、肩を抱き寄せた。

「いつも元気な華ちゃんが、元気が無いと心配なんだよ?」

あたしは黙って頷いた。

「あたし…好きな人が出来た…かも?」

ダディは、ちょっと驚いた顔をしてあたしを見たけど、すぐにいつもの優しい顔に戻った。

「そっか…それで?」

「好きだって言う前に振られたの。」

ダディはクスッと笑って慌てて姿勢を正した。

「どういうこと?」

「好きな子が居るんだって。誰か聞いても教えてくれなかったの。」

あたしは大きなため息をついた。最近はため息ばっかりついてる気がする。

「好きって伝えないと伝わらないんじゃないかな?」

「でも…告白して…その…あたしのこと好きじゃないけど…きっと気を使っちゃうと思うの。そうしたら、今まで普通に接していたのにそれが出来なくなるでしょう?それが嫌なの。」

ダディは相手が誰なのかも聞かなかった。

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