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第3章 Prototype

「今日はガクさん当直だから病院に電話してみる。」

ダディは携帯を取り出した。

「えっ…パパに言うの?」

ダディはさっさと電話を掛け始めた。

「いいよ…もう大丈夫だから。」

あたしは慌てた。パパにまた心配させちゃう。ダディは携帯を耳に当てたまま、あたしを見てジェスチャーでちょっと待ってと人差し指をたてた。

「麻酔科の今泉ですが、院長をお願いします。今日当直だと思うんですが。」

それどころか、ライブにはもう行くなって叱られる気がした。ふたりは短い会話を交わしていた。

「じゃぁ。華ちゃんのお友達を送ってからそちらへ行きます。」

そういってダディは電話を切った。女性の付き人が、あなたのお父さんとっても素敵ねと囁いた。若いころも、今もモテモテなのにダディはママ一筋だ。

「リツちゃん。お家まで送るよ。その後、華ちゃんは病院に行くよ。」

あたしはソファからゆっくりと立ち上がったが、少しふらふらした。

「リツちゃん。悪いけど華ちゃんのバックと車の鍵持ってくれる?」

そういうとダディはあたしをひょいっと横抱きにした。
「いやだ…ダディ。大丈夫だよ。」

「この方が早いから。」

ダディは笑ってそのままあたしを駐車場までお姫様抱っこで車まで連れてった。リツを家まで送り、その後あたしたちは病院へと向かった。

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