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第21章 疎外感

初めてのコンクールで2位受賞を果たした真啓。全校生徒の前で祝辞を校長が述べた。

「凄いね~真啓♪」

リツがあたしに囁いた。色んなコンクールで入賞する実績を出来れば、音大にも入りやすくなる。

…でも医大に行きたいって言ってたよね。

「う…ん。」

同じクラスの女の子が真啓を取り囲んでお祝いをしていた。

「あっ…華っ。合唱部の恩田美咲さんよ。」

仲良くふたりで話をしている。美咲は、以前から真啓の事が好きだった。必ずお昼の音楽室に居て楽しそうにしている。

…なんか真啓…遠い人になっちゃった。

「行かなくて良いの?」

皆に囲まれて嬉しそうに話をしている真啓のもとに入り込む隙はなさそうだった。
真啓はあたしの方を見て微笑んだけど、気まずかった。あたしはリツと自分の教室へと戻った。

「お前、真啓に会ったのか?」

空があたしに聞いた。

「ううん。取り巻きが多くてあたしなんか入る隙無いよ。」

机に肘をついて溜息をついた。

「真啓とお前付き合ってるんだろう?」

空は怠そうに欠伸をしていた。

「判らない…お互いに好きって言ったけど、付き合おうとか言われたわけじゃ無いし。」

「馬鹿ねっ。それって付き合ってるってことじゃない!」

リツがあたしのほうに向きなおって言った。

「ラインで既読もつかない時があるし…判らない。」

…でるのはため息ばかりなり。

「お昼は一緒に食べるんでしょう?お弁当。ふたりで一緒に食べておいで。」

――― はーい!授業を始めます。

先生が入って来た。

窓の外を見ると、柔らかい日差しの中で通りの向こうの銀杏並木の黄色い色がとても鮮やかに見えた。

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