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第21章 疎外感

「華っ!!諦めちゃ駄目っ。」

リツはいつも励ましてくれたけれど、あたしはあきらめの境地にいた。
そんな時にユウヤからメールが来た。

(元気?もし良かったら、リツちゃんも誘ってご飯でも食べに行かない?御馳走するよ。)

あたしは、パパ達にリツとふたりでご飯を食べて映画を観に行くからと嘘をついた。家に籠りがちだったあたしを心配していたパパ達は、それを聞いて喜んだ。

…ごめんね…嘘ついて。

お店はユウヤのお任せだった。待ち合わせの場所に行く途中で、リツからメールが入った。

(ごめーん!!急に親に留守番頼まれちゃってさ。もう悔しいけど今日は行けない~。ほんとゴメン。)

あたしは慌ててユウヤにメッセージを入れた。あたしがユウヤとふたりだけでも良いなら、一緒にご飯を食べようと返信が来て、悩んだけれど、待ち合わせのお店へ行くことにした。
個室がある中華料理屋さんだった。あたしが行くと既にユウヤは来ていた。

「なんかさ、イタリアンとかの方が良いよね。でも個室のある店が見つからなくてさ。元気だった?」

時々メッセージのやりとりをしていたけれど、会うのは夏の合宿以来だった。共通の話題は真啓のこととクリスマスライブのことだった。思っていた以上に沢山の話が出来て、ユウヤもそれを嬉しそうに聞いてくれていた。

「あの合宿で作った曲もお披露目するから、楽しみにしててね。」

ユウヤは前菜を食べながら笑った。

「うん。」

お互いがメールのやりとりでも避けてきたあの話題。

「あのそれで…夏の合宿の時のこと…なんですけど…。」

汗をかいたウーロン茶のグラスの氷がカランと音を立てた。

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