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第23章 幻想ポロネーズ

レストランについた。ビュッフェ・スタイルのお店なのか、貸し切りにしたのか判らなかったけれどとても豪華なものだった。

美咲は真啓にぴったりとくっついたまま、離れなかった。あたしは何となく近寄れなくて、遠くから眺めているだけだった。

「君可愛いね。お名前は?僕はカイト。」

あたしがオレンジ・ジュースを飲んでいると、あたしと同じくらいの年齢の男の子が話しかけて来た。その人に見覚えがあった。

「あたしは華…です。」

「恩田教授の生徒さん?」

「いいえ、伏見真啓くんの友人です。」

男性は真啓をちらりとみて笑った。美咲があたし達の様子を見てこちらに近づいて来るのが見えた。

「ああ…真啓くんか。僕は準決勝でダメだったんだ。」

…そういえば,この人もステージで弾いていた。

「恩田さんと伏見くんは、婚約の話が出ているって聞いたけど、お似合いのカップルだよねぇ。」

…えっ。

あたしは自分の耳を疑った。

「伏見くんは、賞を総なめでしょ?大型新人現る!なんて言われてるし、凄いよね。恩田さんも、恩田教授もこれで将来は安定だね。」

… どういうことなの?

頭が混乱してしまい言葉が出なかった。

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