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第24章 泣いてはいけない

(華:真啓がコンクールで優勝したよ。)

…華っ!!

俺は焦る気持ちを抑えてメッセージを送った。

(今どこ?)

(華:ちょっと休憩して家に帰るところ。)

…ったく皆んなが心配してるってのに。

(●●ホールの近く?)

(華:うん…。●△公園で、カフェラテ飲んでる…けどもうすぐ帰る。)

いつもの華ならすぐに電話が掛かってきても良さそうなもんだ。しかも真啓が入賞したら興奮して騒いでも良いはずなのに。

…何かあったんだ。

(俺の家から近くなんだ。丁度コンビニ行こうと思ってたとこだから、会えない?)

(華:そうなんだ。判ったここで待ってるね。)

…ここからなら走って10分程のとこだ。

思いっきり走り過ぎて、胸が痛かった。アイツは街灯の下のベンチで静かに座っていた。

「華!」

華は俺の顔をみて微笑んだが、頬には涙の跡が出来ていた。

「こんなところでどうしたんだ?真啓くんは?一緒に居たんじゃないのか?」

会場で応援するんだと学校でも楽しそうにリツに話していた。俺はまたコンクールの途中で寝るんじゃね?と昨日、学校で華を茶化して怒らせたばかりだった。

「うん…。」

華は俯いたまま何も言わなかった。

「取り合えず、ここじゃ寒いから俺んち来る?ここから近くなんだ。」

華は何も言わずに立ち上がった。

――― グーッ。

華は慌ててお腹を抑えた。

「お腹が空いてるの?」

思わず笑いが込み上げて来た。

「だってパーティーで何も食べられなかったんだもん。」

…相変わらずだなコイツ。

「コンビニ寄ってご飯買って帰ろう。」

「おでんが食べたい…。」

…なんだよそれ。みんなを心配させやがって。

俺はそれを聞いて少し安心した。

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