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第24章 泣いてはいけない

俺も黒田が買っていたコンビニ弁当を温めた。ダイニングテーブルの丁度反対側の席に座った。

…泣いたり、お腹空いたって言ったり、まるで幼稚園児だな。

「帰る前に、顔を洗ってきた方が良いぞ?その顔だと泣いてたのがバレちゃうぞ。洗面所あっち。」

台所の隣にある洗面所を指さした。華は慌てて自分の顔を手で隠した。

「馬鹿だな…今更隠さなくたっていいよ。」

華は御馳走さまでしたと言って箸を置くと、洗面所へ行き顔を洗った。

「化粧しなくても充分可愛いじゃん。」

…あ。俺今何言った?柄でも無い。

「あたし達…駄目かも…ってか駄目になっちゃった。」

大きなため息をついて、テーブルの上に置いてあったティッシュで鼻をかんだ。

「やっぱり真啓には、あたしなんかよりも真啓にぴったりな子が居るんだよ。」

根掘り葉掘り聞きたくなるのを俺は必死で堪えた。

「真啓くんときちんと話したのかい?」

華は首を横に振った。

「音楽のことなんて何にも知らないあたしよりも、共通の話題が多い子の方が良いに決まってる。」

…いっつも真啓にくっついて歩いてる女のことか?

「付き合っているんだろ?ちゃんとふたりで話合えば…。」

「ふたりで話し合ったって、駄目なことだってあるんだよ。」

華は強い口調で言った。

「なぁ…今日はもう遅いから帰ろう?」

黒田が車を出して来ますと言って出て行った。華は何も言わず黙って立ち上がった。俺は華とエントランスへ向かった。

「ユウヤ…ごめんなさい…迷惑掛けて。」

「大丈夫だよ。何か困ったことがあった相談に乗るよ?」

華は俯くと、地面に涙がぽたりと零れた。俺は華を抱きしめた。

「あ…洋服に鼻水がくっついちゃうよ。」

華が胸の中で言った。

「俺は華を助けるって約束した。華は笑ってる方が可愛いから。けど、泣くなら俺の前で安心して泣け。」

ユウヤだと華の前では素直になれる。ユウヤで居ることに息苦しさを感じることばかりなのに不思議だった。

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