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第24章 泣いてはいけない

「華が考えすぎなんじゃない?」

リツがスマホをいじりながら言った。

「自分がこんなにウジウジしている人間だと思わなかったよ。」

リツはあたしの顔をちらりと見て笑った。

「華もそれだけ大人になったってことじゃん?てか…真啓とはどこまでいったの?」

あたしはじっと考えて居た。

「今なら好きだけど、諦められる気がするの。」

…そうだ今なら、夏の想い出で終われそうな気がする。

「あたしの質問に華は答えて無いっ!だから、なんてそう深刻に考えちゃうの?」

「付き合ったらもっと一緒に帰ったりとかデートしたりとか出来るかと思ってたのに、そんなことも出来ずに終わる結果になっちゃった。」

真啓からラインが来るけれど、簡単な返事を送るだけにしていた。

…なんで婚約してるのに、あたしと付き合ってるの?
本当は聞きたいけど聞けない。最近はこればっかりの繰り返しで自分でも嫌になった。もやもやとした気持ちは日増しに大きくなってあたしを苦しめた。

「真啓も華も変に気を使っちゃうんだよお互いに。ふたりとも遠慮しすぎなんじゃない?」

「なんか…嫉妬する自分が嫌になったの。付き合わないで友達でいた方が良かったのかも知れない。」

「馬鹿じゃね?そんなに心配だったら、真啓に聞いてくりゃ良いじゃん。女ってこれだから良く判んねーよな。余計な事はベラベラしゃべる癖に。」

空が意地悪く笑った。

「ちょっと空…それは言い過ぎなんじゃない?」

リツが慌ててフォローした。

「そう…だよね。あたしそうする。」

あたしの中でモヤモヤの中から脱出できる道がはっきりと見えた。

…行きたくは無いけど、そこにしか出口が無いのなら選ぶしか無いでしょう?

あたしは自分の頬っぺたをパチパチと叩いた。


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