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第25章 傷ついた心

「華…一体どういうこと?」

ママは怒っていた。パパもダディもそして夏も居た。

「これあなたよね?」

ママは雑誌をテーブルの上に置いた。

「説明して頂戴。」

あたしは何から話せば良いのか、悩んだ。

「華さん…黙っていては判りません。あなたいつこの人と会っていたんですか?」

パパも厳しい口調であたしに言った。

「真啓さんとの事はどうなってるの?」

今度はパパがあたしに聞いた。

「真啓とは…お友達に戻ったの。」

みんなが息を飲んだ。

「これってやっぱり華だよね?」

夏が雑誌を読みながらあたしに聞いた。

「真啓とは色々あって…今日友達に戻りましょうって言ったの。だけど、ちょっと前から考えてたことだったから。」

あたしは、椅子に座った。

「それで?」

パパは容赦なくあたしを問い詰めた。

「これ…真啓のコンクールの時…色々あって泣いているあたしをユウヤが慰めてくれたの。コンビニでご飯を買って家で食べて、マネージャーさんに家に送って貰った時なの。」

あたしは駅で気分が悪くなり、休んでいたところをユウヤが助けてくれて家まで送ってくれたとママ達には話していた。

「あなたはどうして大事なことを黙っているの?」

「別に隠していたわけじゃないわ。それに疚しいこともしてない。」

パパ達は、お昼のニュースでこのことを知ったらしい。

「当たり前です。」

パパがとても冷たい口調であたしに言った。

「浅はかだったと思うけれど、ユウヤとは何も無いの。今日は疲れてるから、ご飯いらない。」

あたしはひとりになりたかった。席を立ち、自分の部屋へ向かった。

「ちょっと華っ!話はまだ終わってないわ。待ちなさい!!」

あたしは何も返事をせずに部屋に入りドアに鍵を掛けた。

この騒ぎは1週間程続いた。マネジャーの黒田さんから、ママに迷惑を掛けたことのお詫びの電話が来た。結局その後の週刊誌にもあたしが高校生であることしか書かれていなかった。



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