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第3章 Prototype

「はなたれ…クラッシック聞くのか?」

‟はなたれ”と言われたら完全に無視することに決めた。犬の調教と同じだ。CDをそっとスクール・バックに入れた。このハッピーな気分をこいつに壊されたくない。

…黙れ ザ・シャード。

このCDを聴きながら勉強をしたらはかどりそうな気がした。塾から帰ってくるとパパが晩御飯を食べていた。ママは隣に座っていつも眺めている。あたしも遅めの夕飯を食べた。

「ねぇ。パパとママがお付き合いをし始めた時って、どちらから付き合おうって言ったの?」

どうしたんですか突然そんなことを聞いてとパパはちょっとびっくりした顔をした。

「勿論ガクさんよ」

ママは、テーブルに肘をついてパパを見つめていた。

「そうでしたっけ?」

パパは笑ってごまかした。あたしは何度もその話をママから聞いてるけど、パパから聞いたことは無かった。

「ねぇパパはなんでママのこと好きになったの?」

パパはママと見つめあった。

「それは、可愛い人だし、仕事も良くできて人気もあったからです。」

パパは即答だった。

「おっぱいが大きいからとかじゃなくって?」

パパは飲んでいたみそ汁で咽た。

「華ちゃん…あなたは…。」

パパは眉を顰めてあたしを窘めた。

「だってママが言ってたもん。」

残念ながらママのおっぱい遺伝子は、あたしには継承されなかったようだ。

「トーコさん!あなたって人は、華ちゃんにそんなこと言ったんですか?」

ママはティッシュペーパーでパパの口元を優しく拭いた。

「ええ。だってホントのことでしょう?でもね、私はガクさんのこととっても好きだったからそれでも良かったの。」

ママはパパの頬にキスをして優しく頬に触れた。

「ふーん。」

ママは、パパと言い合いになる事もあるけれど、結局はいつもパパが折れる様な気がする。それが家族円満の秘訣なのかも知れないと子供ながらにあたしは思った。


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