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第3章 Prototype

「誰かを好きになるってどんな気持ちなんだろう?」

あたしはテーブルに肘をついて,考えた。

「華ちゃん…あなた本当に大丈夫ですか?」

パパが心配そうにあたしに聞いたので,ママがパパの隣に座った。

「あたしはママもパパ達も大好きだけど、それとはまた違うんでしょう?」

真啓と一緒に居て楽だし,好きだけど、でもそれは友達として好きな気がする。

「その人が側に居なくても、その人の事で頭がいっぱいになっちゃうの。」

ママがパパに寄りかかりながら微笑んだ。

…うーん。真啓とは…それは無いな。

「何をしてるんだろうとか、誰といるのかしらとか、朝から晩まで気がつけばその人の事ばかりを考えちゃう。」

パパとママは、お互いの顔を見合わせながら微笑んでいた。

「華ちゃんには、そういう人がいるの?」

ダディもパパもあたしをじっと見てるのがわかった。

「リツに言われたの。華は伏見くんの事が好きなんでしょう?って…。」

…でもどうしてリツはそう思ったんだろう?

「華ちゃんは、真啓さんの事が好きなの?」

ソファに座っていたダディが、あたしに聞くと目の前の
パパが緊張したのがわかった。

「うん。好き。」

ダディが、えっ?!とリビングで大きな声をあげたのと、パパがはっとした顔をしたのが同時だった。

「…一緒に居ると楽だし,ちょっとドキドキするけど、でも、いっつも伏見くんの事を考えてるわけじゃ無いの。」

ダディがあたしの隣に座った。

「そっか。真啓さんとは、良いお友達なんだね。」

パパがホッとした顔をしたのを見てダディとママが笑った。

「誰かを好きになったら、あっコレが恋だって解るものなのかなぁ。あたし、気がつかなかったらどうしよう?」

皆が声を出して笑った。

「大丈夫。その時が来たらきっとわかるよ。」

ダディがあたしの頭を大きな手で優しく撫でた。






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