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第26章 キスの続き

「なんだって?」

リツが近づいて来た。

「あとで、話があるって言われたの。」

「それってさぁ…。」

リツがにやにやしながらあたしを小突いた。

「な…何よ。」

「頑張れっ!」

…何よ頑張れって。

「あたしこれからメンバーにサインを貰ってこようかと思って…。あとで結果を教えてね。」

リツは食事もそこそこに、会場内を走り回ってメンバーを探していた。

「華さん、トーコから聞いたわ。真啓さんのこと。」

春さんはあたしをギュッと抱きしめた。

「辛かったでしょ…次はもっと素敵な恋が出来るわよ。辛くて苦しくなったら、私の家でゆっくりすれば良いわ。冬休みにでもいらっしゃい。」

…そんな恋これから先出来るのかな。

「うん♪春さんありがとう。」

――― ♪♪

(ビルの屋上に来て。)

ユウヤからだった。あたしは春さんに一声かけて屋上へと向かった。風が冷たい屋上へ行くとユウヤが待っていた。

「どうしたの?」

ユウヤは手摺に寄り掛かりながらコーヒーを飲んでいた。

「ほら下見て。まだファンの子達が寒いのに待ってる。」

ユウヤが指さした裏口には、数十人のファンが待っていた。

「凄い…。」

「寒いのに大変だよな。」

あたしは出待ちをしたことは無いけれど、リツがしたことがあって何時間も待つこともあると教えてくれた。

「真啓くんと別れたんだって?さっきリツちゃんから聞いたんだ。」

…リツのおしゃべり。

「うん。そうなの。」

「まだ真啓くんのこと好き?気になる?」

「気にならないと言ったらウソになる。だけど、婚約者がいる以上諦めなくっちゃって思ってる。」

「俺で良かったら、真啓くんのこと忘れさせてあげるよ。」

…えっ。

整った顔に優しい笑みが零れた。

「それって…どんな意味?」

「どんな意味ってそのまんまだけど。」

あたしはとても混乱していた。

「あの…。」

「あの日のキスの続きをしようか?」

あたしは顔が真っ赤になった。急な事であたしは答えに困った。

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