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第26章 キスの続き

「失恋を乗り越えるには新しい恋をするっ!決まってるでしょ。何で躊躇してんのか判らない。」

学校の帰りにファミレスでリツとあたしは、ゆるゆると過ごしていた。

「もうさっ。最高の話じゃない?あたし羨ましすぎて首絞めたいぐらいだよ。」

…リツならホントになりかねないかも。

あたしよりもリツが興奮してしまって、落ち着かず宥めるのが大変だった。

「芸能人が彼氏になるなんて…想像つかないよ。」

この間まであこがれだった人が、自分の彼氏になりたいと言ってきた。それはあたしの人生で最大級のニュースだ。どんなに長生きをこれから先したとしてもこれ以上のニュースは無い筈。

「夢…だったのか…な?」

あたしは真啓のことでおかしくなって幻をみたのかも知れない。

「で…返事はどうするのよっ。」

ユウヤからは毎日のようにメッセージが届いた。レコーディングで忙しいとか、リュウとまた喧嘩したとか、マネージャーの黒田さんがあたしのママのファンだとか、有名人と一緒に撮った写真を送って来たり、内容は楽しいものばかりだった。そんな話を読んでいると、気持ちが楽になる自分が居た。

「返事はあまり待たせない方が良いと思うの。」

今日はリツがとてもおしゃべりだ。あたしの事を心配して、そしてユウヤから告白されたことを自分のことの様に喜んでくれていた。

「それに、嫌だったら別れればいい話でしょう?」

…何で別れることが前提なの?

あたしは思わず笑ってしまった。

「うん…出来るだけ待たせないように返事をしようと思う。」

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