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「華さん。お話があるので僕の部屋に来て下さい。」

パパがあたしを呼んだ。

「なぁに？」

あたしが真啓と別れた事で、みんなに心配を掛けさせていたことは判った。

「あなたと真啓さんの間に何があったんですか？僕は真啓さんがあなたを傷つけるようなことをするとは思えませんけれど…でももし…。」

あたしは慌ててパパの言葉を遮った。

「ううん。そんなことは無いの。パパが考える様なことは、してないわ。」

パパは気まずくなったのか、コホンと咳をした。

「真啓さんがね、僕にもこんなことになってしまって済みませんとメールをくれたんだよ？」

…えっ。

「喧嘩別れ…だとしたら、何かの間違いだと思いますよ。真啓さんはあなたのことがずっと好きだったんですから、何かの行き違いなのでは無いですか？」

パパはあたしに優しく微笑んだ。

「ううん。行き違いなんかじゃないの。もう真啓のことは諦めるから。」

「諦めるって…僕は、あなたが一方的にお友達に戻りたいって…。」

…いやだ。

「もう真啓の話は止めて？聞きたくないの。」

あたしはパパの眼をじっと見て言った。ママがパパにコーヒーを運んできた。ちらりとあたしの顔を見ただけで何も言わずに部屋から出て行った。

「あなたは、本当にそれで良いんですか？」

「うん。諦めはついたから…ううん諦めなきゃいけないの。」

パパは何かをじっと考えながら、コーヒーを一口飲んだ。

「それに…丁度良かった。あたし、新しい彼氏が出来たんだ。」

「えっ？！」

パパが驚いて身を乗り出すと、コーヒーが零れた。

「あちちちっ…ちょっと…華さん…新しい彼氏って…。」

机の上のティッシュをあたしは取ってパパに渡した。

「真啓にお別れをした後すぐに告白されたの。」

「あの…。」

パパが物凄く動揺しているのが可笑しかった。