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第27章 健全なお付き合い

――― 冬休み。

俺は春さんに手伝って貰ってマンションの引っ越しをした。

「芸能人ってやっぱり凄いわねぇ。事務所が全部出してくれるなんて。」

春さんは感心した様に笑った。華が住んでいるマンションから歩いて5分程の場所にあるペントハウスだ。黒田も同じマンション内に引っ越した。
そして、今夜は華の家に挨拶へ行くことになっていた。

「わたし暇だから時々お掃除しに来るわね。こんなおばあちゃんだったら家政婦さんと思われるでしょうし、大丈夫でしょ?」

春さんは黒田にウィンクをした。

「何から何まで本当に済みません。あなたとユウヤの父親がお知り合いだったなんて知りませんでした。」

「あら♪空くんのお母様とも知り合いなのよ。」

春さんは黒田に優しく微笑んだ。

「たまにはご両親に会いに行っているの?おふたりとも心配されていらっしゃったわよ。」

「ここ何年も会ってませんし、会いたくもありません。」

俺がきっぱり言うと、春さんは苦笑した。

「あなたを見てると、若い頃のトーコを思い出すのよ。あの子も意地っ張りで親の手を借りるなんてまっぴらごめんって感じだったから。」

黒田が少し嬉しそうなのに腹が立った。大抵黒田が同じことを言うと、切れて部屋を出て行くが、春さん相手じゃそれも出来ない。

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