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第27章 健全なお付き合い

「ご無沙汰しております。そして週刊誌の件ではご迷惑をお掛けしました。」

俺は深々とあいつの家族に頭を下げた。トーコさんも春さんもにこやかな表情で出迎えてくれた。

「忙しいのにごめんね。」

華も緊張した面持ちで俺に言った。

「どうぞあがって?」

部屋に通されると既にパパはリビングのソファに座っていて眉間に皺を寄せ何か言いたげだった。

…一番手強いのはこの人だな。

「すみません撮影からそのまま来たので、化粧を落とす時間もありませんでした。これからまた仕事に戻らなければなりません。」

パパもダディも何も言わず俺をじっと見つめていた。

「俺はバンドでボーカルをしています。華さんとお付き合いをしています。先週こちらのマンションに引っ越して来ました。」

パパの顔が険しくなった。

「あなたのような芸能活動をされていらっしゃる方が、どうして華さんとお付き合いをされているんですか?うちの華さんで無くても、綺麗な方がいっぱい周りにはいらっしゃるでしょう?」

パパの口ぶりは全く俺を信用していない。

「ガクさん…そんな言い方いけませんよ。ユウヤさんのお母様とわたしは、昔からの友人なんですよ。」

春さんが慌てて俺に助け舟を出した。

「なんかそれってちょっと酷い。」

華がパパをじっと見ていたが、パパは俺から視線を離さずに見つめていた。

「お母様は離婚されて今は宮ノ下弁護士事務所で弁護士をされていらっしゃるんですよ。」

それを聞いて表情が少し和らいだ。当たり前だがレイプ未遂事件のことがあってからの印象は最悪のようだ。

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