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第27章 健全なお付き合い

「そうだったんですね。春さんとお母様がお知り合いだったとは…。」

「ええ…昔からのお付き合いでね…ユウヤさんに似てとても美しい方ですよ?」

「それにしても、近くに引っ越してくるなんて、少々やり過ぎな気がしますけれど。」

パパの言葉は冷たかった。子供を思う親なら当然だと思うし、真啓の事があってから家の中がピリピリしているのも良く判っていた。

「週刊誌のあの事件以前から新しい物件を探していたんです。スタジオからも近いですし、セキュリティーはしっかりしていますし条件はぴったりでした。」

「そうよね…ファンにも色んな人がいるでしょうし、しっかりしたところじゃないと駄目よね。」

トーコさんは俺の前にそっとお茶を置いた。

「俺は仕事で不規則ですし、華さんと会える暇は殆どありません。」

「あなたは成人されているそうですけれど、華はまだ高校生です。これから受験の時期に入りますし節度を保ったお付き合いをお願いします。」

パパははっきりと言いきった。

「はい。判りました。」

俺はそう言うしか無かった。

「節度あるお付き合いって何?どこまでがパパが言う節度あるお付き合いなの?具体的に言ってみてよ。」

華がパパに突っかかった。

「言わなくてもあなたなら判るでしょう?」

華を無視してパパは俺にはっきりと言った。

「パパはコントロール・フリークだわっ。あれも駄目これも駄目って。」

春さんがさりげなく華の怒りを鎮めようと割って入った。

「華さん。ガクさんはあなたのことを心配してるのよ?若い娘が、芸能人とお付き合いするなんて言えば、親は心配するでしょう?」

「俺は華さんと節度あるお付き合いをします。ご家族に迷惑が掛からないようにしますので、どうぞ宜しくお願い致します。」

俺は頭を下げた。



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