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第28章 ライバル宣言

取り合えず家に荷物を置いて、華の家に行こうと思った。

「あら真啓さんおかえりなさい。」

おばあさまが家に来ていて、母と何かを話していた。

「丁度良かったです。おばあさまっ!僕にわかるように説明して下さい。」

僕の剣幕に母は驚いた顔をしているだけだった。

「なぜ恩田教授の娘さんと婚約しているのか?なぜそれを僕が知らなかったのか、説明して下さいっ!」

「何ですってっ?!真啓さん…婚約って…なんの事?」

母も全くこの話を知らされていなかった。

「以前から恩田さんからお話を伺っててね、真啓さんと娘さんが同じ学校だから丁度良い話ではないかしらと思ってね、あなたには後々話をしようと思っていたんだけど…。」

おばあさまは涼し顔をして母と僕に言った。

「お母さんっ!!なんで勝手なことをするの?」

母もそれを聞いて激怒した。

「華が…華が、僕に別れようって言ったのは、僕が婚約したって噂を恩田さんから聞いたからだったんだ!!僕は好きでも無い人と婚約なんてしない!するぐらいなら留学なんてしなくて良いよ。」

僕は怒りと悔しさで泣いていた。

「ピアノだって…辞める。」

母とおばあさまはこの言葉に息を飲んだ。

「恩田教授にお断りするまで…僕はレッスンへ…行かない。」

僕は着替えると家を飛び出した。華がそれを僕の口からでは無く、美咲から聞いたなんて。華が僕に会ってくれないのは当たり前だ。




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