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第28章 ライバル宣言

婚約解消の話は瞬く間に学校中に広まった。リツから聞いて、あたしは心臓がドキドキしだして、眩暈が酷くて手足がしびれて動けなくなってしまった。

「あ…たし…どうしよう…。」

…きっと死んでしまう時はこんな感じなのかな。

「手に力が入らな…いの…。」

あたしは机に突っ伏した。

「華っ!華っ!!」

休み時間にそれは起こった。

「俺が保健室へ連れて行く。」

空があたしを抱え上げた。

…怖い…怖い。あたし死んじゃうのかな?

リツが先に保健室へと走った。

「華…大丈夫だからな。」

酷い虚脱感に目眩。手足を動かす事すら出来なくなった。

「心配するな。」

あたしたちが行くと、保健室の先生が血圧を測った。

「ちょっと高いわね。大きな病気じゃないと思うけど、一応救急車を呼びましょう。」

救急車で保健室先生と一緒にパパの病院へと運ばれた。色んな検査をした結果、身体的には問題無いと言われた。

「パニック発作ですね。初めてとのことなので数日の間は、発作が起こり易いので、安定剤を処方しておきましょう。」

あたしは首を横に振った。

…薬なんて飲みたくない。

あたしはただそっとしておいてほしいだけだった。

ママが迎えに来た。

「さぁ疲れたでしょう?お家に帰りましょう。」

「ママ達は…真啓のこと知ってたの。」

渋滞も過ぎた中途半端な時間でいつもより早く着きそうだ。

「ええ…でも本当にはっきりと判るまではあなたに言わないでおこうと思ったの。あなたのことだから心配すると思って。」

ママは長い沈黙の後に言った。

…あたしは…また…のけ者。


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