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第28章 ライバル宣言

「だ・か・ら♪これから会う機会もいっぱい増えるし、お互いのこと少しづつ知れれば良いんじゃない?」

…いやいや知りたくねーから。

「ユウヤ狙ってる子この業界にも多いから、ライバル多すぎてたいへーん。」

こいつが男の前だと豹変するのは有名だ。女性歌手を酷く虐めて楽しんでいるとも聞いた。

「それに俺 今好きな子が居るんだ。だから誰とも付き合う予定は無い。」

「へぇ~そうなのぉ。ミーナ調べちゃおうっかなぁ。偉い人に沢山お友達いるし。」

――― バターンッ!

「Rin!! ちょっと待てっ!!」

会場のドアが凄い勢いで開いた。高校生シンガーソングライターのRinだ。泣きながら飛び出して来て、後をマネージャーが必死に追いかけている。
ドアの向こうではミーナのユニットのNEXTのメンバーが意地悪そうな笑みを浮かべているのが見えた。

「Rin我慢してくれ!今日は特別な日なんだ。お願いだから挨拶回りへ…。」

俺は慌ててRinを捕まえた。

「おい。マネージャーが心配してるぞ。」

春らしい柔らかなフワフワとしたドレスを着ているが、その背中にはインクか何か大きな染みが出来ていた。

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