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第29章 あたしの知らないみんな

「完全にそれからかわれてるね。」

リツとあたしは学校の帰りに時々寄るアイスクリーム・ショップでおしゃべりをしていた。

「だよねぇ。」

…あたしもそう思うもの。

「でも大切にされてるんだね。安心した。」

リツはあたしを見てにっこりと笑った。

「なんで?」

リツは自分のチーズケーキアイスをスプーンで掬ってあたしにくれた。

「だってユウヤなんてモテ放題じゃない?良い人だけど手が早いとかって勝手に思ってた。」

イメージ的にはそうだよね。でも、確かに思ってた以上に良い人だった。

「うん…確かに。でも…パパ達に健全なお付き合いをしますって言ってたし…。」

リツはびっくりした顔であたしを見た。

「はぁ~?口ではそう言ってても、馬鹿正直に普通は守る奴なんて居ないよ?したくなった時がその時でしょ普通。」

リツはこれだから華はと言わんばかりの大きなため息をついた。

…リツ…だんだん…夏に似て来た。

「ねぇ…今まで聞いたこと無かったけど…リツって今までに…したことあるの?…あの…そーゆーこと…。」

考えてみれば付き合う付き合わないの話はしたことがあったが、踏み込んだ話をしたことは一度も無かった。

「ん?エッチってこと?あるよ?」

「ええぇーーーーー!!!」

真啓があたしを好きだと言った時以上に驚いた。それもリツは顔色ひとつも変えずにさらっといってのけた。

「しっ…馬鹿。声が大きいよ。」

リツはあたしがスカートに落としたアイスの滴をナプキンで拭きながら眉を顰めた。

「それっていつ?」

あたしの声に、店にいた子達があたしのことをじっと見ていたけど、こっちはそれどころじゃなかった。

「えっ…もしかして…相手って…さ…。」

「うん♪そうだよ。」

リツは汚れたナプキンを近くのゴミ箱に投げた。

…ちょっと…待って…ちょっと待てぃ。

あたしは絶句しフリーズ。

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