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第29章 あたしの知らないみんな

「いつ?」

「うーん今年の初詣の帰り?」

「あれ?でもあれってあたしとふたりで行ったよね?」

「うん。翌日に、夏に誘われてまた行ったの。それであたしの家に来て…こっそりと。」

「親がいるのに?」

「うん♪もう超ドキドキしちゃった。」

…リツが別世界の人に見えて来た。

あたしには想像が出来ない。親が居るところでなんて絶対怖くて出来ないし、それ自体だって怖い。

「初めてじゃないのに、大きすぎて痛かった。」

リツは恥ずかしそうに笑った。

「黙っててごめんね?華も真啓君のことで、頭の中が忙しそうだったしさ。言おう言おうと思ってたけど、タイミングを失っちゃって。」

「ううん。あたしも…自分のことばっかりでごめん。」

やっと気持ちが落ち着いて来た。

「でも付き合って無いってどういうこと?」

「あー別に付き合ってとか言われた訳じゃ無いし、あたしが好きならそれで良いかなと思って。」

「そんな曖昧で良いの?」

「うーん別に夏に他に好きな人が居るように見えないし、一緒に居て楽だって言われるし…気にしない…かな。」

リツは、もう恋愛ビギナーなんかじゃなくて、その先の応用編まで体験してたってこと?

「なんかリツは恋愛に冷めてる?」

いつも笑われてばっかりの夏に先を越されるとは思って無かった。

「そうかなぁ。そうでもないと思うよ。」

「初めての時って緊張した?」

「そりゃぁもうドキドキでしたよ。あたしも夏も初めてじゃ無かったからそれでもお互いに余裕はあったけど。」

「ちょっと待って…今聞き捨てならないことをあなたはおっしゃいましたよ?」

「え。何?」

「夏って初めてじゃ無かったの?」

…アイツ…いつの間に。

「あぁ…そっちね。うんそうみたい。初めては20歳の塾の講師って言ってたよ。」

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