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第30章 共演NG

「勝手に待たれても困るんだけど?俺たちゴシップになったばかりじゃない。」

「だってぇ。お昼に戻るって聞いてたからぁ。」

「勘弁してよ。誰に俺の家聞いたの?」

「えへへ…誰でも良いじゃない。」

ユウヤの声は少しイライラしているようだった。あたしは息を潜めて話を静かに聞いて居た。

「ちょっと待って。俺さ今日人と会う約束してるの。」

「えーっ。誰っ?だれ? あっ判ったRin?あの子生意気なのよねぇ。歌番組でも尊敬しているのはユウヤさんですぅ~とか言っちゃってさ。」

…そうだったんだ。

「誰だって君には関係無いでしょう?外で待たせるとまた変な噂になったら嫌だから、家に入れたけど、マネージャー呼ぶから。」

どうやら黒田に電話を掛けたようだ。ミーナが来てるのでマネージャーに伝えてくれと話していた。

「えーっ意地悪ぅ。」

「30分ぐらいで来るってさ。」

―――― ♪~♪

突然あたしのスマホが鳴ったので慌ててあたしは音を切った。

「あれ?今音聞こえなかった。」

ミーナが歩き回る音が聞こえた。

「そう?聞こえなかったけど?」

「嫌だぁユウヤったら、あたしの他に女隠してたりしてぇ。」

――― バタンッ。

大きな音がしたかと思うと寝室のドアがいきなり開いた。

「な…なんだよ。誰も居ないよ…勝手に人の部屋に入らないでくれ。」

「うわぁ~♪広いベッド。」

ミーナは、ベッドの上に転がった。

「マネージャーすぐ来るから、リビングで待っててくれよ。」

ミーナの携帯が鳴った。

「はぁ~い。ミーナでぇす。」

甘ったるい声を出して電話に出たミーナだったが、マネージャーだったようで不機嫌な声を出した。

…ユウヤ…浮気?

あたしは信じたくはないと思ったけれど、震える手でその様子をスマホで隙間から撮影を始めた。あたしは裏切られた気持ちで一杯だったけど、それでも何故か冷静な自分が居た。

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