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第31章 どっちがホント?

「それに友情は消えないものでしょう?」

真啓は、何も無かったかのようにあたしに静かに言った。

「それは勿論消えないけれど…あたしはまだ、真啓とどう距離を取って良いのか判らないの。」

未だに拭いきれない友情以上の感情があるのは確かだ。だけど、それを真啓に悟られることは、ユウヤに対する裏切り行為のようにも思えた。

…自分で考えが纏まらないのに、真啓に話せるわけが無い。

「僕は…華に本当に申し訳ないことをしたと思ってるよ。」

「真啓…お願い…もう謝らないで?あなたが悪い訳じゃ無かったんだから。それにもう終わった事でしょう?」

やっぱり真啓と話すのは居心地が悪かった。

――― パタン。

あたしの背中でドアが閉まる音がした。いつの間にか、ユウヤが立っていた。

「あ…真啓?またメールす…。」

ユウヤは、あたしの手から携帯を取り上げた。

「もしもし。真啓くん?久しぶり。そちらの生活はどう?必要なものがあったら言ってね?うん…春さんの家だよ…リツちゃんに夏くんも一緒だよ。じゃぁ…またね。」

あたしの顔をちらりと見ながら、ユウヤは電話を切りあたしに手渡した。

「はい♪」

ユウヤは笑っていた。

「思ってたより撮影が終わるのが早かったんだ。」

あたしはユウヤにそっと抱き付いた。

「お仕事お疲れさまでした。」

「今日から俺の身体は、全部華のものだ。休みも少し長くとれそうだよ。」

くいっとあたしの顎を持ち上げると優しくキスをした。

「あたしのもの…だなんて。」

それでもあたしはユウヤを独り占めできると思うと嬉しかった。

「出来ればベッドの上で俺を独り占めして欲しいな。」

あたしは顔が真っ赤になったのが判った。

「そうやって困った顔も可愛くて仕方が無いんだ。ごめんね…華を困らせて。」

あたしは俯いて首を横に振った。

「俺、華の隣の部屋を使うよ。」

ユウヤはあたしの顔を大きな手で包み込むと、キスをして部屋を出て行った。真啓と話しているところを見られるなんて気まずかった。ユウヤが何も言わなかったことも余計に気になった。

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