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第31章 どっちがホント?

――― 朝。

窓を少し開けていると薄いレースのカーテンが風を包み込むようにしてふわりと動いた。

…ふたりが電話をしているだけで嫉妬するなんて。こんな気持ち初めてだ。

相手が真啓だと判った時には、思わず華から携帯を取り上げてた。お前とはライバルだと言いつつ、こんな些細な事でも嫉妬してしまう自分が嫌だった。

…華は俺のものだ。

朝食が終わり、俺の部屋で華は過ごしていた。隣で本を読んでいた華は、手に本を持ったままうつ伏せのまますやすやと寝ていた。

…ったく。こーゆーのが無防備過ぎるって言ってんだよ。

俺は華の手からそっと本を取り上げ、サイドテーブルに置いた。

好奇心が旺盛でお節介焼きで、可愛くて小さくて、華を見ているといつも飽きない。

半袖に短パン。すらりと伸びた真っ白な脚。別段セクシーな恰好をしている訳でも無い。今までユウヤとしてそこそこ遊んで来たけれど、華は他の女達とは違い、純粋だった。

「華…おい。本読むんじゃ無かったのか?」

俺は華をそっと揺すった。

「…。」

…駄目だ。

「おい…華。」

華は全く起きなかった。そう言えば夏がいったん寝るとなかなか起きないと言っていたことを思い出した。俺はブランケットを引っ張りそっと華に掛けてやった。華を見ていると、言葉が溢れ出してくるような気がした。俺は幸せそうに眠る華の顔を長い間眺めていた。

<Little Hana>

新しいページを捲り、題名を書いた。

「お前の為に曲を作るよ。」

俺は独り言や鼻歌を歌いながらノートの上にペンを走らせた。

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