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第31章 どっちがホント?

――― 夜。

あたしは、新しく出来た露天風呂に一人で使っていた。丁度家族風呂の裏側にあり、竹垣に囲まれた岩風呂だった。物凄くゆったりしていて、風情があった。奥の方には座浴が出来る場所もあって、足を延ばしてゆったりと浸かれる場所もあった。

…蒸し暑い夜に入りに来る人なんていないよね。

ライトを消すと空には、星が沢山輝いていた。瞬いて、手が届きそうなぐらいにくっきりと見えていた。そして海の向こう側には白い月が見えた。

あたしは岩に寄り掛かり座浴風呂でゆったりと浸かりながら、プロトの曲を聞いていた。そこは湯の噴き出しから近く、温かかった。

…ユウヤが好きなのに、真啓のことが気になるなんて。

あたしはママのようにはなりたくない。ポリガミーなんて普通じゃないと思ってる。でもなんだかやっぱりユウヤに申し訳ない気持ちになってしまう。一緒に過ごす時間はとても楽しいし、真啓と違う意味で安心できる気がした。

…とても強く守られているような?

汗が出始めてそろそろあがろうと思っていた時だった。
――― ゆらり。

湯が大きく波打ったような気がした。あたしは思わず振り返り岩陰からそっと顔を出した。

…えっ?

あたしは驚き過ぎて声が出なかった。慌ててイヤホンを外し息を潜めた。

…空?

空は夜空を見ながら歌を歌っていた。

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