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第32章 満月の夜

「えっ!本当にっ!!」

「お前、あの時青いドレス着てただろ?」

「うん。」

あたしは不思議な縁を感じて興奮した。

「俺たちがサッカーやってるときに、柱の陰から見てた。」

「うんうん。」

…そうだったんだ。あの綺麗な男の子は空だったんだ。

「溺れてるのを見つけたのも俺。」

「えーっ。そうだったの?」

「うん。大人を慌てて呼びに行ったんだ…てかお前どれだけ俺に助けられてんの?」

…確かに。

学校でも空がユウヤの時も、沢山助けられてる。

「空にはありがとうを言いたくないけど、ユウヤにはありがとうって言いたい。」

あたしは空に抱き付いて笑った。

「なんだそれ。」

空はポケットの中から、紙を出した。

「はい♪これは、ユウヤとしての俺からのプレゼント。」

<Little Hana>

ユウヤとして作詞作曲してくれた歌だった。とってもとっても甘いラブソング。歌詞を読んでいるとドキドキしてきた。

「どう?」

…あたしの為に。

あたしは空の首に手を回して、頬にキスをした。

「ありがとう♪ユウヤ。ねぇ…これ家に帰ったらスタジオで歌って?」

空はあたしの背中を優しく撫でていた。

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