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第32章 満月の夜

…空の熱い口づけ。

その熱気があたしの体に伝染して広がり始めた。

「とても緊張してる…ずっと華が欲しくて仕方が無かったから。」

あたしからそっと離れると、大きな手であたしの頬を撫でた。その手は唇とは違い少し冷たくてひんやりとした。

「華…本当に良いのか?」

月の光に照らされて、空の肌は青白く光っていた。

「…うん。」

あたしは小さく返事をした。緊張で震えているあたしを空は抱き上げてベッドへと連れて行った。

「ふっ…。」

空が静かに笑った。

「華…震えてる。」

ベッドにそっとあたしを寝かせた。その隣に空は寝ころぶと、あたしを抱きしめた。

「今日は一緒に寝るだけにしよう?」

――― ぎゅっ。

空はあたしを痛いほどに抱きしめた。

「えっ…。」

あたしは空を見上げた。

「言っただろ?俺はお前を待つって。」

「あたし…。」

「しーっ。何も言わないで…。来てくれただけで嬉しかった。」

あたしの身体から緊張が解けていく。それに気が付いた空がまた笑った。

「な?」

…空。

空は、あたしが怖がっているのを知ってて最初からそのつもりだったのかも知れない。あたしは空の首に腕を回した。

自分でもどうしたいのか、好きな気持ちはあるけれど、やっぱり怖かった。

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