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第32章 満月の夜

…もう止められない衝動。

「空っ…怖いっ…怖いのっ…あっあっ…あたしを…捕まえててぇ…。」

すっと意識が遠のくのと同時に、体が不随意に動いていた。

「華…俺は傍にいるから大丈夫だよ。」

――― びくん。びくん。

「こんなに…締め付けてる…。」

空はあたしが意識の隙間を泳ぐ間、強く抱きしめていてくれた。

気が付くと空の腕の中だった。

「空…意識がふわふわしちゃって怖かったの。」

柔らかな空の胸にあたしは顔をぴったりとつけた。

「気持ちが良かった?」

空が静かに笑った。あたしは恥ずかしくて、頷いただけだった。

「華とっても可愛かったよ。」

あたしの顎を指でくいっとあげてキスをして囁いた。

「華の全てが欲しい…。」

あたしは静かに頷いた。その言葉はあたしの心臓を震えさせた。

長い長いキスをして空が離れた時だった。

――― ♪~♪

突然、空の携帯が鳴った。

「マジかよ…。」

空の落胆の声があたしの上で聞こえた。

「ちょっとごめん…。」

あたしの頭にキスをすると、電話を取った。相手は黒田さんのようだった。

「えっ…。」

空は暫く凍り付いていた。

「うん…判った。今からそっちに帰る。」

空は電話を切ると今までに見た事が無い程厳しい表情をしていた。

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