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第33章 助っ人

俺は突然Rinから、歌詞が思い浮かばず、スランプに陥っているとメッセージを貰った。良くあることだ。焦れば焦るほど行き詰まり、深みに嵌る。俺の場合は、全てを放棄してしまう。それが一番楽な方法だった。

そんな時にRinとの共演が決まった。

「どうやらRinの強い希望だそうだ。」

黒田が俺に教えてくれた。俺は正直嬉しかった、実力派の歌手だったし、これから伸びるだろうと思っていた。

「Rinか。それなら喜んで受けるよ。」

リュウが不在、俺の脱退に向けての調整などで、スケジュールが大幅に変更になり黒田は大変そうだった。

「なぁユウヤ。お前ソロ・デビューするか?」

俺は暫く充電期間が欲しかった。

「今は考えられない。」

「そうか…。」

メンバーを急遽集め、プロト解散に向けての話し合いが始まった。

「そうだね…ユウヤはもともとこの時期に辞めたいって言ってたもんね。俺は、どこか拾ってくれるバンド見つけるよ。」

メンバー調整役のベースのトモキが笑った。

「僕はあと2年で大学卒業だし学生でも良いかなぁと思ってる。」

トオルはのんびりしたことを言っているが、金持ちの息子だ。

「で…お前は何するの?」

トモキが俺に聞いた。

「まだ決めて無い。暫くは充電しようかなと思ってる。」

親父は多分、跡を継げと言うだろう。それだけは嫌だった。

「俺はいつこのバンドが途中分解すんじゃないかって心配だったけど、何とか持ったな。残念なのは、リョウが居ないことだ。キーボードは残念だけど、誰か雇うしか無いだろうな。」

トオルが溜息をついた。

「それは誰か探しておくから心配いらない。候補は決まってる。ただお前達に決めて貰わないといけないな。」

黒田が静かに言った。

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