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第33章 助っ人

スタジオに入ると、Rinが泣いていた。

…またあいつか。

「今度は何やられたんだ?」

「ギターが…楽屋に置いていたギターが無くなったんです。」

…おいおい。

本番までは少し時間があった。

「俺のアコギで良ければ…楽屋にあるよ。見つからなかったらそれを取り合えず使うとして、まだ時間があるなら探そう。」

俺は本番前の慌ただしいスタジオでスタッフに声を掛けて回った。

「あれ?さっき女性用のトイレに立てかけてあったのがそうじゃない?」

スタッフが言った。

「Rin!」

俺はRinを呼んだ。

「ありました…良かった。」

Rinはトイレに入りギターを抱えて出て来た。

「おい。中もきちんと確認しないと…。」

Rinは、慌ててケースから出した。

「あっ!!」

全ての弦が切られていた。

「ひ…酷い。」

Rinは唇を噛んだ。

「Rin。大丈夫だ予備で弦を持って来てるから、俺の控室で張り直そう。」

俺たちはバタバタと廊下を走り、控室へと入った。Rinの出番までは、30分程ある。

「はい…すみません。」

俺は大急ぎで弦を張りなおしていった。全てのチューニングが終わったり、ふたりでホッとした時だった。

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