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第33章 助っ人

「華が空くんと付き合ってるのは分かってる。だけど、僕にとっても華は特別なんだよ?」

真啓が華の目をじっと見つめていた。お互いは好きだったのに別れてしまったのだから、仕方が無い事だと思ってる。

…これはまずいんじゃないか?

「うん。判ってる…。」

華は悲しそうな顔をしていた。

「そんな顔しないで。華を困らせたいわけじゃ無いんだ。」

真啓はぐいっと華を抱き寄せた。

「あっ…。」

「ごめん…やっぱり僕はどうしても君の事を諦める事が出来ないんだ。」

華は最初はもがいていたが、諦めてじっと動かなくなった。二人は抱き合ったまま苦しそうな表情をしていた。真啓の婚約騒ぎが無ければ、今もふたりは付き合ってた筈だ。

…嫉妬。

焼き鏝を当てられたかのように,俺の胸はじゅうじゅうと音を立てて焦げ始めた。

…大人しい真啓に可愛いくて元気な華。お似合いじゃないか。

--- シュッ。

俺は華の背中に回された大きな真啓の手を引っ掻いた。

「…っつ!」

真啓は顔を少ししかめただけだった。

「あっ。こらトーフ!!」

華が慌てて振り返ると、傷からじわじわと血が滲み出していた。

「大変!真啓の大事な手が…。」

華は立ち上がると部屋を飛び出した。

「華!大丈夫だよ!!」

救急箱を手に華が戻って来た。

「本当にゴメンね。トーフは今までにこんな事したことが無いのに…どうしちゃったの?」

華が真啓の手を消毒しながら、ちらりと俺の方を見た。

「きっとトーフは男の子だから僕に華を取られて嫉妬したんだよ。」

真啓が爽やかに笑いながら、愛おしいそうに慌てる華を眺めていた。

…抜け駆けは例え真啓でも許さない。

俺はベッドの上で体を伸ばし、尻尾をぱたぱたと動かしていた。

「また時々来ても良いかい?夏くんと一緒に勉強しようと思って。」

「そうだよね。あたしたち受験生だもんね。真啓と同じ大学に入れるように頑張る!」

ふたりは見つめあって笑った。


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