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第33章 助っ人

Rinは時々俺の家に遊びに来るようになった。学校との両立が難しいと話、ちょくちょくNEXTのメンバーからは虐められていると話した。

「この間来てた方って、とっても可愛らしい方ですね」

Rinが俺に聞いた。

「うん。高校3年生でもうすぐ受験なんだ。家も近所だし良く勉強しに来るんだ。」

「お家が近いと良いですね。毎日ユウヤさんのところに来れるじゃないですか。」

Rinは、静かに笑った。Rinは同じ高校3年生だが、華に比べるととても大人びて見えた。

「仕事があるから、なかなか会えないんだけどね。最近はお前と会ってることの方が多いくらいだよ。」

申し訳ないですとRinが笑った。歌詞は何曲分でもかけた。

「2-3曲と言わず、アルバム出せるくらいかけるよ。Rinと一緒に作るようになってから調子が良くって。」

華と付き合いだす様になってからすらすらと歌詞が出てくるようになったのはメンタル的に落ち着いたからなのかも知れない。それにRinと一緒に作曲するのは楽しかった。

「わたしも最近、全てがスムーズにいかない気がしてたんですけれど、ユウヤさんと一緒に活動してみて気分転換が出来ました。」

俺は書き散らかした紙を綺麗に纏めた。

「飯食いに行こうか?」

「はい♪」

俺たちはタクシーでスタジオ近くのレストランへ向かった。食事の後は、メンバーに確認して貰って、取り合えずこの中から1曲を選ぶ予定だった。食事中も、思いついた事はどんどんメモを取った。食事を終えて会計を済ませている途中だった。

「あのうぅ。もしかして歌手のRinさんですか?」

俺の支払いを少し離れたところで待っていたRinが若い女子のグループに声を掛けられていた。

「い…いえ…。」

Rinは帽子を目深にかぶり直した。

「でも…そっくり♪」

会計を慌ただしく済ませると、俺はRinを連れ出した。

「えっ!!一緒にいるのってもしかしてユウヤ?」「プロトのユウヤさんですよね?」「マジで…本物カッコいいんだけど!!」

店の入り口が一気に騒がしくなり人が集まって来て携帯を俺たちにかざし始めた。

…これはまずい。

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