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第34章 スキャンダル

「えっと…春さんと真啓だけ…。」

「夏はっ!!夏は知ってたの?」

「ううん。知らない。」

それを聞くとリツはホッとした様子だった。

「そっか…あたしだけ聞いて無かったわけじゃ無かったんだったら、よしっ…はぁ…でも教えてくれなかったのはショック。」

「ごめん…。」

他のクラスからも、生徒が空を見に来ていたけれど、欠席しているので会うことは無かった。

「それで?今後はどうするの?」

「なんか…自然消滅になってしまいそうな気がして来た。」

あたしは自信が無かった。付き合っていると言っても、ここ2カ月近く会えないうえに、この騒動で、沈静化するまではだいぶ掛かりそうだった。

「それに来年の9月になったらイギリスの大学へ留学するんだって。あたしどうして良いのか分からないよ。」

「そっか…。」

そして空が居ないのを埋めるかのように、真啓がクラスに時々遊びに来るようになった。

「華。一緒にご飯を食べよう?」

リツと3人でお弁当を食べながら、留学していた時の話や、受験勉強などについて話した。

「夏とは上手くいってるの?」

真啓は人懐っこい笑顔を浮かべてリツに聞いた。

「うん。ぼちぼちかなぁ…でも…。」

リツは箸を止めて、ちょっと考える様な素振りを見せた。

「でも?」

あたしも真啓も同時に聞いた。

「…女?…居るかも?」

――― ガターンッ!!!

あたしは驚き過ぎて、思わず椅子から立ち上がった。

「あ…嫌だ~華ったら!」

あたしの怒りのボルテージが一気にあがったのを見てリツが慌てた。

「ねぇ…それ…ホント?」

今にも教室を飛び出す勢いに思えたのか、真啓があたしの顔を心配そうに見上げていた。

「うん…多分?」

「多分って…もうちょっと詳しく教えてっ!」

…アイツ…絶対許さないっ!

あれだけリツを大切にしてねって言っといたのに。

…あれだ…絶対…これはパパの血がなせる業だよ。

「何となく?…女の勘?」

リツは再び弁当を食べ始めた。

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