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第34章 スキャンダル

「夏くんとは、遊びなの。エッチ上手だし、一緒に居ると楽しいし…。」

「そんな関係おかしいわよ!怜ちゃん。お願いだから、夏を誘わないで?」

…夏も怜も似た者同士ってことか。

「なんで華ちゃんに言われなきゃいけないの?わたしと夏くんの事でしょう?」

怜はきっぱりとあたしに言った。

「そうだけど…あなた達の事で、悲しむ人が居るってことを忘れないで欲しいの。」

「華ちゃんの言いたいことは判ったわ。話はそれだけ?」

怜は突き放す様にあたしに言った。

「うん。それだけ…。」

あたしは部屋を出た。

「家まで送って行くよ。」

コートを羽織ったあたしを見て真啓が言った。

「華…ごめんね。怜があんなことしてるなんて思わなかった。」

駅までの道のりをふたりでゆっくりと歩いた。

「うん…あたしも正直驚いた。あたしの理解を越えてて判らない。エッチをするだけの関係なんて…理解できない。」

真啓は何も言わなかった。

「このことリツちゃんに話すの?」

真啓が心配そうにあたしに聞いた。

「うん…話す。怜ちゃんには悪いけど、リツはあたしの親友だから。聞いてしまった以上、あたしは黙っている訳にはいかないから。」

「そんなことしたらリツちゃんとても傷つくと思うよ。」

真啓は大きなため息をついた。あたしと同じように3人とも知っていて、この状況は、複雑な気持ちだった。
「でも…知っているのに、教えて貰えなくって後でそれを知ったらもっと傷つくと思うの。でもやっぱり許せないのは夏ね。」

あたしは夏に対して怒りが沸々と湧いて来た。

「ここで良いよ。真啓ありがとう。」

家まで送るという真啓の申し出を断り、あたしたちは駅で別れた。


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