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第35章 卒業

「わっ…待って…。」

空は既に息を切らせているあたしの手をぐいぐいと引っ張って屋上へと連れて行った。いつもの貯水タンクに上った。ここなら誰にも邪魔されない。

「寂しい思いさせてゴメン。」

空はあたしを力いっぱい抱きしめた。

―――バターンッ。

屋上の重いドアの開く音。
あたしと空は慌てて見えない隅へ行ってしゃがんだ。

「あれぇ~ユウヤこっちへ走って来たから、屋上だと思ったんだけどなぁ。」

「以前雑誌に載ってた女子高生って、やっぱり本命だったんだね。」

「くーっ!!悔しいっ。」

ファンか女子生徒か判らないけれど、話し声が聞こえて、再びドアが閉まる音が聞こえ静かになった。

「危なかったぁ。」

空は立ち上がったあたしを力いっぱい抱きしめた。

「さっきの続き♪」

「く…苦しい…空…ちょっと。」

あたしは空の胸の中でジタバタしていた。

「嫌だ…暫くこうしてたいんだ。会えなかった分。」

空の甘い香り。

「ねぇ。キスしたい…。」

空があたしの耳元で囁いた。

「だ…誰かにみられ…た…ら…。」

慌てた答えたあたしの唇は、空に強制的に奪われた。

「ん…。」

空の舌があたしの中に入り込んだ。

…ミントの味。

空の舌は執拗にあたしの舌を追いかけた。

「ん…そ…ら…?」

あたしに絡みつき吸い付いた。段々と息が苦しくなってきたけど、空は一向に放す気配が無かった。あたしが頭を動かそうとするたびに、後ろ頭に回った空の大きな手に力が入りそれを拒む。

…く…苦しい。

「あっ…ん…。」

苦しくてジタバタしたあたしに空はキスをしながら笑い始めた。

―――ぷちゅっ。

空はあたしの下唇を名残惜しそうに吸いながら、やっとあたしを濃厚窒息キスから開放してくれた。

「はぁ…はぁ…はぁ…。」

頭がくらくらした。

…これ絶対酸欠だ。

「華のキス…イチゴの味がする。お前のキスはいつも甘い。」

…そういえば、さっき飴食べたっけ。

「あー苦しかった。」

あたしはやっと話せるようになった。すると再びぐいっと腰を引き寄せられた。

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