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第35章 卒業

「お前…久しぶりのキスの感想が、苦しかったって…や・り・な・お・しっ!」

…えっ。

再び空と唇が重なる。

「俺がこんなに…感じてるのに…。」

―――ぷちゅっ。

空は、あたしの唇を甘噛みした。

「お前は…何も…感じないの?」

不服そうにされたキスは、最初の時よりも少し強引で乱暴だった。

「感じてる…か…な。」

再び舌を激しく、長く吸われた。口を閉じさせてくれない空。あたしの唾液が溢れてきそうになるのをちゅるりと音を立てて綺麗にしてしまった。

「あー。やっと落ち着いた。」

そう言いつつも、空はあたしを抱きしめたまま放してはくれなかった。

「華の香りも、この髪の手触りも、柔らかい耳も全部が恋しかった。」

…空…。

今日の空は、甘えん坊な気がした。

「お前の大学始まる前に、卒業旅行へ一緒に行かないか?」

空のしなやかな指が、あたしの髪の中でさわさわと遊んでいた。

「卒業旅行?」

空がにやりと笑った。

「うん♪華ちゃんの“色々”卒業旅行。高校卒業したのに、まだ卒業して無いものがあるだろ?」

…えっ。

自分の顔が一瞬で真っ赤になったのが判ったので、慌ててあたしは俯くと、空はその反応を楽しそうに見てた。

「夏の続き…しよ?」

あたしは空に顔を見られたくなくて空の胸に顔を埋めた。

…な…夏の続き…って。

くいっと指で顎を持ち上げられ、ユウヤの時に見せる、天使の様な笑顔で囁いた。

「華が…欲しいんだ。」

その微笑みは、キラキラとしていてあたしには眩しすぎた。

…そんなに甘い声で囁かれたら。

――― ふらり。

あたしが一瞬よろけたので、空にがっしりと掴まれた。

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