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第1章 可愛い拾い物

夏はあの白いネコを抱いていた。あたしの声で皆の視線が一斉に夏に注がれた。

「このネコ、うちの玄関前に居たよ。」

大きな夏に抱っこされ、リラックスしているのか白いネコは腕の中でくったりとしていた。

「どうやって入ってきたの?ここオートロックでしょう?」

ご飯とみそ汁を並べながらママがいった。

「本当にきれいなネコだね。」

ダディもリビングから出てきて ちょっと抱っこさせてと夏の腕からネコを抱き上げた。

「もう遅いから、飼い主は明日探すことにしなさい。」
パパに抱っこされているネコを眺めていた。

「じゃぁ 飼い主が見つかるまで飼っても良い?」

あたしは興奮した。

「仕方が無いでしょう?」

ママが溜息をついた。

「ねぇ。パパ 一緒にネコに必要なものを買いに行こっ!」

あたしはパパの腕を引っ張った。パパはあたしがお願いすれば、殆どの事は聞いてくれる。車のカギをパパが掴んだのをママがちらりとみた。

「駄目よ…ご飯食べてからになさい。」

ママがあたしに言った。

「…だそうです。トーコさんがそう言っているので、ご飯食べてから僕と一緒に行きましょう。」


あたしは慌ててご飯を食べた。

「華さん。ご飯はきちんと食べないといけませんよ。」

パパがあたしを窘めた。


 

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